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Spencerに聞く、英語ビジネスコミュニケーションシリーズ第三弾をお届けします。これまでに引き続き、英語を学ぶためには英語で学ぶのが一番ということで、言語は英語で配信していきます。 今回のテーマは「Don’t Believe the LA-NY Hype – アメリカ西海岸と東海岸の違いは単なる誇張?」 よく、西海岸スタイル、東海岸スタイルなど言われていますが、 ビジネスシーンでの違いはあるのかを彼の経験を踏まえてお話しいただきました。 カナダの西海岸、バンクーバーでは、アジア人の割合が多く、 服装もカジュアル、オフィスにはビールがあって、仕事終わりにビーチで夕日を見る というのが、夏の過ごし方でしたが、アメリカではどうなのか?またビジネスシーンではどうなのか?を伺いました。 Podcastアプリで購読する(無料): Don’t Believe the LA-NY Hype – アメリカ西海岸と東海岸の違いは単なる誇張? Spencer: 今日はニューヨークとロサンゼルスという、文化が大きく違うと言われている2つの都市についての話です。 おそらく日本の方も、この2つの都市の違いを耳にしたことがあると思います。アメリカ内の文化の違いを表す際によく「東海岸」と「西海岸」という言葉が使われますが、正確には東海岸はニューヨーク、西海岸はロサンゼルスのことを指すことがほとんです。 西海岸と東海岸の違いは誇張されている? Spencer: よく若者向けのメディアでは、この東海岸と西海岸の違いが誇張されて表現されているのを目にします。 ロサンゼルスはビーチやプールパーティー、そして映画が撮影されているイメージ。それに対してニューヨークはお金・ビジネスが中心のイメージが定着しています。 実際にオンライン上でも、BuzzFeedなどのウェブサイトはもちろん、不動産会社のマーケティング用のブログや旅行サイトでも、「クリエイティブでリラックスした西海岸」と「ビジネスの東海岸」のように全く異なるものとして扱っています。 ただ実際には、ビジネス上で、この2つの違いというのは、そこまで大きいものではありません。 アメリカはとても広く、東海岸と西海岸はかなり離れていることもあり、その2つには大きな違いがあると思い込んでしまっているのだと思います。 ビジネスシーンではロサンゼルスでもニューヨークでも基本は同じ Spencer: 実は私自身も以前は東海岸と西海岸のビジネスカルチャーは違うと考えていました。 私が提案書を評価するポジションにいた頃、ロサンゼルスの会社から映画関連の提案書を見る機会があり、それがまさに「イメージ通りの西海岸」だと感じました。 具体的には、詳細が抜けており、有名な監督とのコネ、レコメンデーション、ソーシャルメディアでのいいね!など表面的なマーケティング指標にばかり触れらており、売上予測やコストの部分についてほとんど触れられていませんでした。さらに、売上予測もかなり楽観的で、大ヒット間違いなしだと書かれていました。 これを見て、責任感のない典型的な西海岸スタイルだと思いました。 ただ後々、ロサンゼルスの会社と仕事をすることが増え、ただ単にこの提案書がひどかっただけで、全てのロサンゼルスの会社がこうではないことがわかりました。むしろ、責任感が強くとても信頼できる会社ばかりでした。 アメリカのポップカルチャーというのはとても有名なので、世界中でアメリカの西海岸・東海岸のイメージが先行してしまっているのだと思います。ただビジネス視点でいうと、西海岸と東海岸で違いはほとんどありません。 あえて違う点をあげるとすれば、マーケティングのエクセキューションの部分です。 例えば、以前ロサンゼルスに拠点を持つ Circusというマーケティング会社と仕事をしたことがありました。 その会社は、ニューヨークにオフィスを持ち、ボストンにも拠点を構えて東海岸向けのビジネスを拡大しようとしていました。 Circusから送られてきたマーケティング用の資料を見ると、資料の中にはヤシの木やビーチ、その他にもプールパーティーのイメージなど西海岸を連想させるものばかりでした。この資料を使って、ローカルのお客さんに営業をかけていくつもりだったようですが、ボストンでは受け入れられません。そもそもボストンにはヤシの木はなく、ロサンゼルスのようにみんながプールを持っているわけではありません。笑 ただし、ビジネスの本質的な部分はしっかりしていました。少し修正を加えればボストンでも通用します。 Akihiro: マーケティングの表現方法が異なるということでしょうか? Spencer: まさにその通りです。 西海岸と東海岸というより、各地域ごとの特性を理解する必要がある Akihiro: その他、言葉選びなども違いがあるのでしょうか? Spencer: 少し違いますが、アメリカの全てにマーケティングしていく場合は、顧客層はアメリカに住んでいる全ての人になります。 Akihiro: 一般化する必要があるということでしょうか? Spencer: そうです。土地柄に関係なくアメリカに住んでいる人に共感される必要があります。 もちろん、ある特定の地域に限定した製品である場合は、その特定のエリアに焦点を当てるべきです。 例えば、マサチューセッツの北に位置するメイン州ではロブスター漁が盛んです。もしあなたの会社が、ロブスター漁に特化した製品を作っていて、アメリカに売りたいという場合、メイン州をターゲットにすることになります。 もしメイン州に特化してビジネスを行うということであれば、例えば、その土地に関連するジョークを使ってみたり、メイン州の方言を使うこともできます。 ただし、アメリカ人全体をターゲットする場合、マーケティングコンテンツは一般化される必要があります。 多くの会社がローカライゼーションに力を入れようと考えていますが、実際はとても複雑です。なぜなら東海岸といっても、とても広いからです。 ニューヨークやボストン出身の人が「ニューヨークはボストンから車ですぐだよ」と言うのをよく耳にします。 ただ、実際には3時間半のドライブとなります。これでも彼らは「車ですぐだよ」と表現するのです。 もし仮にボストンからフロリダに行く場合、車で22時間かかります。同じ東海岸なのにです。 そう考えると同じ東海岸でも、それぞれの地域で全く異なる文化が存在することが想像できるかと思います。 私はニューヨークの南にあるメリーランド州のバルチモアという街の学校に通いました。 そのエリアは蟹がとても有名で、そのメリーランドの象徴とも言える蟹に関するマーケティングが盛んに行われていました。 そしてその隣にはワシントンD.Cがあり、南に行けばバージニア州、ノースカロライナ州と続きます。 その各州に特化したマーケティングを行おうとすると、非常にコストがかさみます。 P&GやNikeなどの大企業はその予算を捻出できるかもしれませんが、莫大な予算がないとなかなか難しいです。 まずはローカルから、進出先はしっかり見極める Spencer: 日本からアメリカに進出する企業の場合はいきなり初めからアメリカ全体をターゲットするのではなく、まずはローカルのマーケティングに特化することをオススメします。 ローカルに特化すると言うことは、ボストンであればボストンの会社並みの、テキサスであればテキサスの会社並みに、そのエリアのマーケティングに力を入れるということです。 小さなローカルマーケットで成功できれば、その土地で強力な基盤ができ、他のエリアに広げやすくなります。 アメリカでのマーケティングはお金がかかると皆さん驚かれますが、アメリカ全土を対象にすれば、当然お金はかかります。 まずは特定のエリアから注力して行くことで初期投資を抑えることが可能です。 特に一般消費者向けの商品(B2C)では特にです。 Akihiro: どのように注力するエリアを選べいいのでしょうか? Spencer: まずはしっかりとしたマーケットリサーチを行うことです。当然のことながら、エリアによって盛んな産業というものは違います。それをしっかり見極めることが重要です。 例えばあまり知られていませんが、アメリカの銀行取引は、ほとんどの場合ネブラスカ州のオマハという場所を経由します。 Akihiro: オマハは聞いたことがないですね。 Spencer: そうですよね。あまり知られていません。 もしフィンテックのプロダクトをアメリカで展開する場合、テック系ということでサンフランシスコやシリコンバレーが最適だと考えるかもしれません。 サンフランシスコにオフィスを構え、ネットワーキングに時間を使いますが、なぜかうまくいかない・・・。 それは単に顧客がいないからかもしれません。どのエリアに注力するのかというのは、無駄にマーケティング費用を投資することを避けると行った面でも重要です。 English ver: Don’t Believe the LA-NY Hype Spencer: Today we will be talking about the two major perceived … Continued